ブルックナーの交響曲第8番(1890年、ノヴァーク版)を、クルト・アイヒホルン指揮、リンツ・ブルックナー管弦楽団による演奏で。
1991年、オーストリアはリンツ、ブルックナー・ハウスでのセッション録音。
総演奏時間は77分ちょっと、同曲としては比較的速い部類の演奏になるのかな、意外にも(なんとなく、意外にも)、残響少なめの録音で、それによって細かなパッセージが際立ち、マエストロ・アイヒホルンの”言わんとすること”が伝わる、わかる…そんな気がしてくる。武骨と優しさのハイブリッド。これは決して都会の、摩天楼にいるブルックナーではなく、田舎のブルックナーですね。だがそれがいい。このコンビによるブルックナーの録音を日本のレーベル(カメラータ・トウキョウ)が遺したということに誇りを感じてしまいます。
マエストロのエピソードが濃厚に含まれたプロデューサー井阪氏によるノートも貴重だと思います。